これだけはおさえる内部監査報告書のポイント
内部監査の結果として、内部監査報告書の作成が求められます。
監査内容の結果をまとめるにあたって、監査中にどの様なことに気を付ければ良いか解説します。
➀増減額や割合など数値を正確に事実確認する
内部監査の基本の監査手続に「書類の閲覧」や「帳簿突合」があります。
内部監査人は定められた規程やルールに基づいて、業務が運用されていることを証憑の閲覧によって確かめることがあります。
監査対象部門の担当者にヒアリングを行い回答を得ることもありますが、その回答が本当に真実であるのか、証憑や現物、システムデータを確認することによって、正確な数値や事実を認識します。
監査報告書には事実を明瞭に記載します。
業務プロセスから逸脱していた事実はもちろんのこと、監査手続において集めたデータから、比較、推移比較を行うことによって新たなリスクを識別することもあります。
データや関連商標は、下記のような傾向があります。
・口頭での説明より実際に確認、調査した方が信頼性が高い
・他人からの伝聞より、本人から得る情報の方が信頼性が高い
・メモ書きより正式な文書の方が信頼性が高い
などが挙げられます。
例えば、「昨年度と今年度の仕入れ額の総額と各仕入れ先の割合の変化を知りたい」場合、口頭での質問よりも、正式な帳簿を確認した方が信頼性はぐんと高くなります。いかにして信頼できる情報を得るか、確かめたい内容を常に念頭に入れて、どの監査手続で実証できるかを考えながら監査を実施することが大切です。
②契約管理
内部監査において契約書の確認はチェック項目の一つに挙げられます。
・監査対象期間中の契約書の作成を要する取引について、契約書が正しく作成されているか
・契約書の保管状況は適切か
・契約終了後に破棄されているか
契約書への捺印、署名、印紙の貼付等が適切に行われていなかったり、保管場所がバラバラで、契約書の原本がどの部署に保管されているのか分からないと言った事例も散見されます。契約関係は企業にとって、コンプライアンスの観点からも重要視しなければなりません。
③リスクと改善に要するコストのバランスを考える
内部監査とは法令や社内規程等に照らし合わせて、業務がルール通りに行われているかどうか検証し、その証拠に基づいて、監査対象の有効性を利害関係者に保証することです。
法令や、規定に対しての適合性を調査する場合、決められたプロセスから逸脱しているのであれば不適合とみなして監査報告書へ記載し、是正処置を求める必要があります。一方、部分的な記載、記録の漏れであるとか誤記など修正処置で済むような事であれば、すぐに修正する様、アドバイスするだけにとどめましょう。
規程やルールの逸脱は決して放置してよいものではありませんが、業務リスクの少ない発見事項の改善に対して、ビジネスリスク以上に時間と工数を掛けてしまうと、かえって経営目的から外れてしまうことがあります。
内部監査実施の上で心掛けることは、「不適合を無理に探そうとしない」「監査の目的から逸脱しない」です。
内部監査報告書は経営者に対して、事実を正確に伝え、改善点や潜在的なビジネスリスクを報告する書類です。
無理無駄ない内容で作成することで社内の内部監査レベルの向上を証明しましょう。
当社では、あなたの会社のビジネスリスクを把握した上で適切な監査計画の立案をサポート致します。
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