

IPO準備に必要なこと
IPO(上場)準備は、一般的に2〜3年の期間をかけて、上場企業としての管理体制を構築するプロセスです。
当社では、上場企業に求められる管理体制を段階的に構築し、確実な上場実現をサポートします。
内部管理体制の構築が最重要課題となります。具体的には、取締役会・監査役会の適切な運営、内部監査室の設置、各種規程の整備、職務権限の明確化などが必要です。また、J-SOX対応として、財務報告に係る内部統制の構築も求められます。
財務・経理面では、月次決算の早期化(5営業日以内)、適正な会計処理、予算実績管理体制の確立が必須。
その他労務管理の適正化(残業管理、社会保険等)、法令遵守体制の整備、関連当事者取引の整理、資本政策の策定などがあります。
これらを同時並行で進めながら、主幹事証券会社や監査法人と連携し、上場審査基準をクリアしていくことが、IPO実現への道筋となります。

IPO準備の進め方


内部管理体制の本格的な構築期間です。各種規程の整備、内部監査室の設置、月次決算の早期化、予算管理体制の確立などを実施。J-SOX対応の内部統制構築も開始します。この時期に主幹事証券会社も選定し、資本政策の策定も行います。特に重要なのは、キーパーソンの採用です。CFO、管理部長、内部監査室長など、上場企業としての体制を支える人材の確保は時間がかかるため、早期に着手する必要があります。また、関連当事者取引の整理や労務管理の適正化など、時間を要する課題への対応も本格化させます。


構築した体制の運用を開始し、PDCAサイクルを回しながら改善を重ねます。監査法人の期中監査を受け、指摘事項への対応を実施。上場申請書類(Ⅰの部)の作成準備も開始します。この時期は「仕組みを作る」から「仕組みを動かす」フェーズへの移行期であり、形骸化を防ぐことが重要です。実際の運用を通じて見えてきた課題を速やかに改善し、監査法人のレビューに耐えうる実効性のある体制を確立します。社内への啓蒙活動も強化し、全社員の意識改革を進めます。


上場申請書類を提出し、証券取引所の審査を受けます。質問対応や追加資料提出など、審査対応に注力。承認後は、投資家向けの説明会準備なども行います。審査では、書類の整合性だけでなく、経営者の資質や事業の成長性も問われます。想定問答集を準備し、模擬面談を重ねることで、説得力のある説明ができるよう準備します。また、この期間も通常業務は継続するため、審査対応と日常業務のバランスを取ることが重要。上場承認後は、公募価格の決定、ロードショーの実施など、上場日に向けた最終準備を進めます。
サービス内容
Iroaeでは、下記のサービスを提供しております。貴社のご状況に合わせて必要なサービスを組み合わせることができます。
上場企業に求められる内部統制を効率的に構築・運用します。形式的な文書化ではなく、実務に即した統制を設計し、現場の負担を最小限に抑えながらリスクを低減。3点セット(フローチャート、業務記述書、RCM)の作成から、整備・運用評価まで一貫してサポートします。
- 全社的内部統制の構築と評価
- 重要な業務プロセスの文書化(3点セット作成)
- ウォークスルーによる整備状況評価
- 運用テストの実施と改善提案
- 監査法人対応・指摘事項の改善支援
- 内部統制の効率化・スリム化提案

月次決算を5営業日以内に完了する体制を構築し、タイムリーな経営判断を支援します。決算プロセスの見直しから自動化まで、段階的に早期化を実現。予算と実績の差異分析により、目標達成に向けた具体的なアクションにつなげます。
- 決算スケジュールの策定と進捗管理
- 決算業務フローの可視化と改善
- 仮締め・見積り計上ルールの整備
- 勘定科目内訳明細の整備
- 予算策定プロセスの構築
- 月次予実差異分析と報告体制確立
- 経営会議用資料のフォーマット作成

IPO準備に必要な各種規程を、実態に即して整備します。他社のひな形をそのまま使うのではなく、貴社の業務実態や企業文化を踏まえた「使える規程」を作成。規程の形骸化を防ぎ、適切な内部統制の基盤を構築します。
- 既存規程の棚卸しと体系的な整備
- 定款・取締役会規程等の機関関連規程
- 組織規程・職務権限規程・稟議規程
- 経理規程・予算管理規程等の財務関連規程
- 内部監査規程・リスク管理規程
- 内部情報管理規程・適時開示規程
- 関連当事者取引管理規程

上場審査で重点的にチェックされる関連当事者取引を網羅的に把握し、適切に整理します。取引の必要性・合理性を検証し、取引条件の妥当性を確保。解消すべき取引の特定から、継続取引の管理体制構築まで、透明性の高い取引関係を実現します。
弊所では、関連当事者の識別から、取引条件の検討までサポート致します。
- 関連当事者の範囲確定と一覧作成
- 既存取引の網羅的な洗い出し
- 取引条件の妥当性検証(第三者比較)
- 解消計画の策定と実行支援
- 関連当事者取引管理規程の整備
- 取締役会での承認プロセス構築

IPO準備に適した組織体制へ再編し、内部統制と業務効率を両立させます。現状の組織診断から、上場企業として求められる牽制機能を備えた組織設計まで実施。職務分掌を明確化し、権限と責任のバランスが取れた組織を構築します。
- 現行組織の課題分析
- 内部牽制を考慮した組織設計
- 内部監査室の独立性確保
- 職務分掌規程との整合性確認
- 人員配置計画の策定
- 組織変更に伴う規程改定支援

上場審査に向けて、より保守的で合理的な会計方針への変更を支援します。収益認識、原価計算、引当金計上など、監査法人から指摘を受けやすい論点を事前に整理。過年度遡及の影響額算定から、変更理由の文書化まで、スムーズな移行をサポートします。
- 現行会計方針の棚卸しと課題抽出
- 上場企業水準の会計方針への変更提案
- 収益認識基準の適用支援
- 原価計算制度の見直し
- 引当金(賞与・退職給付等)の計上
- 過年度遡及修正の影響額算定
- 会計方針変更の根拠資料作成

上場申請に必要な「Ⅰの部」から、上場後の有価証券報告書まで、各種開示書類の作成を支援します。監査法人や証券会社のレビューに耐える精度の高い書類を作成し、スムーズな上場審査・適時開示を実現。記載例や他社事例も踏まえた実践的なアドバイスを提供します。
- 上場申請書類(Ⅰの部)の作成支援
- 有価証券届出書の作成
- 事業計画及び成長可能性に関する事項
- コーポレートガバナンス報告書作成
- 決算短信・四半期報告書の作成支援
- 適時開示資料の作成アドバイス
- 開示チェックリストの整備

貴社のご状況に合わせて、カスタマイズが可能です。お気軽にお問い合わせください。
まず現状診断(ショートレビュー)を実施し、上場基準とのギャップを把握します。この結果を基に、IPOプロジェクトチームを組成し、全体スケジュールを策定。監査法人を選定し、課題の洗い出しと改善計画の立案を行います。最重要課題から優先的に着手していきます。この段階では、経営者のIPOに対する意識統一も重要です。なぜ上場を目指すのか、上場後のビジョンは何かを明確にし、全社的なコミットメントを得ることが成功の第一歩。